手術日月歳　生後３５日　（2009年2月）Ｋ．Ｆ

１．相談室を訪れた理由
初めて伺うきっかけになったのは第１子の誕生から１週間くらいたった日に胸の痛みを感じ、ベビー用品レンタルのパンフレットを見て知りお電話させて頂いた事です。その日以来断乳までの約１年半お世話になり、今回の第２子の時もお世話になろうと思っておりました。
２．相談室を訪れる前から気になる様子
特に気になる様子もなくまだ生まれて１週間だったので分かりませんでした。ただ第１子の時に比べるとなんとなく舌が短いような気がするなあとは思っていました。
３．舌癒着症の話を聞いたときはどう思ったか
話は知っておりましたが「うちの子が？」という気持ちは正直ありました。しかし早期に発見していただいており症状もまだ出ておりませんでしたので様子を見ようと思っておりました。
４．診察を受けてみようと思った理由
発見して頂いた時は舌の重要性について知ることもなく半信半疑でしたが、日に日に様子が変わる姿を見てこれは相談室でいっていた症状ではないかと思い、決定的にしたのは呼吸が止まっていることに気が付いた時でした。夜は寝ることが出来ないほど何度も目を覚ましては泣き、おっぱいを飲む時はむせる事が多く、もうこれはお願いするしかないと思うようになりました。
５．診察の結果とその気持ち、処置への迷いは？受けようと思った理由
診察の結果は重度の舌癒着でした。やっぱりといった気持ちでした。処置への迷いはありませんでした。相談室で充分に気持ちの整理も付けて頂けていたし何よりも本人の苦しさを早く取り除いてあげたいといった気持ちが大きく、主人も側に居て見ていたので、１日でも早く処置してあげたいと言っており、気持ちが一緒でした。
６．処置直後の変化、翌日の診察まで大変なことはあったか
処置直後は大泣きして戻ってきた姿を見て、「本当にこれで良かったのか」と思いましたが、おっぱいをすわせると今までとは明らかに違う飲み方でむせることも少なく一気に残乳感も取れるほどスッキリ飲み干したので正直ビックリしました。処置直後でこんなにも違いが出るとは思っていませんでした。何よりもまず見たり抱いたりして分かる姿が今までどれだけ体全体をこわばらせて一所懸命に呼吸をしようと頑張っていたのかと思うほどクニャクニャにやわらかくなっていました。家に帰る車の中では今までには見たことの無い安らかな顔をして眠っており家に帰ってからもしばらく起きませんでした。（小さな物音一つで目を覚ますほどだったのにどんな大きな音でも起きませんでした（笑）夕方近くから夜８時くらいにかけて少々泣いたりしましたがその後は朝までぐっすり眠っていました。
７．スプーンあげについて回数日、工夫したこと大変だったこと
スプーンあげは正直言ってかなり困難でした。処置した次の日の診察後から1回目のスプーン上げが始まるのですが、口のあけ方が上手くいかず傷口にスプーンの先が当たるので大泣きするのを「ごめんね、ごめんね。」と言いながらグイッと持ち上げる・・・でもちゃんと持ち上がっているかが微妙な感じでいつも失敗していたと思います。けれども術後１ヶ月まで一日３回それだけはきちんと守って行っていました。
８．時間の経過とともに変化はありましたか
まず、目に見えて変わったのは笑顔が多くなったことです。おっぱいを飲んだ後「いっぱいのんだ〜。」というような至福の笑みを浮かべるようになり、それからあやすと良く笑うようになり、そのうちあやさなくてもいろんな人に愛想を振りまくようになりました(笑)。呼吸がとても穏やかになったこと。眉間にしわを寄せなくなったこと。あと、いろいろなことに物怖じしなくなりました。
９．今回の舌の処置についてのご両親の感想
月齢１ヶ月での処置だったので心配しておりましたが、かえって早いことで処置の記憶が少しでも残らないように出来るというメリットがあり、いま娘は４ヶ月になりましたが毎日笑顔をふりまく姿を見て早くに処置をして本当に良かったと思っております。
１０．これから診察を受けようとする方へ伝えたいこと
やはり自分の子だからとはいえ、安易にメスを入れることは良いことではありません。その子が大きくなって＜なぜこの処置を受けなければいけなかったのか＞を必ず疑問に思うときがやってくると思います。その時にきちんと「貴方にとって必要なことだった」と自信を持って説明が出来るよう、この処置が本当に必要かどうかをもう一度考えてみて欲しいです。
その上で処置をするならできるだけ早いほうが賢明だと思います

手術日年齢　生後35日　（2006年 9月）　O・Y

“舌癒着症”これほど手術によって劇的に症状が改善されるものはないと思います。私の息子は、生後１か月で手術を受けました。私は出産の前に、子供が成長していく上で母乳が精神的にも肉体的にもどれほど必要なものなのかわかっていたので、子供が生まれたら積極的に母乳育児をしたいと考えていました。
いざ出産を終えて息子に母乳を与えてみると、おっぱいをくわえるもののうまく飲めず、とある母乳相談室に通い、そこで初めて舌癒着症と向井診療所の存在を知りました。おっぱいをうまく飲めない原因とも言える、この呼吸の抑制“が息子にとって一番の問題でした。呼吸はいつも苦しそうで、眠りに入ると数秒間呼吸が止まることもしばしばあり、私は気が気ではなく、眠れない日が何日も続きました。舌癒着症という聞いたことのない症状、しかも治療することには手術が必要なことに最初は戸惑いましたが、家族の支えもあり、無事に手術を受けることができました。
手術後の息子の変化は驚くものがありました。手術後すぐに変わったことは、まず泣き声です。今までの泣き声はなんだったんだろう？と思うほど赤ちゃんらしいクリアーな声になりました。そして時間がたつにつれて、くすんでいた顔色が色白になったし、目も以前に増して大きくなり、目力が強くなりました。おっぱいも飲めるようになりました。今までは少し飲んではむせたり、疲れて途中でやめてしまっていたのが今ではグイグイッと力強く楽にたくさん飲めるようになって、母乳だけですくすく大きくなっています。そして、夜あんなに苦しがって寝ていたのが、今ではすやすやと眠れるようになりました。おかげで私も安心して眠れます。
息子の舌癒着症のために、様々な出会いがあり、気づきがあり、そして手術。子供に痛い思いまでさせてする必要のある手術かどうか本当にたくさん悩みました。でも、私はこの手術をして良かったと思います。本当に息子は変わりました。きっと息子の人生においてこの手術はプラスになると思います。向井先生をはじめ、お世話になった皆さん、本当にありがとうございました。

手術日年齢　２ヶ月（2005年9月）　S・H
２年前、妊娠７ヶ月の時に、舌癒着症の講演会に参加させていただき、その時初めて舌癒着症の症状や手術について知りました。また、講演会の帰りに私も主人も舌を見ていただいたのですが、幸い２人とも正常で問題ないと言われたので、生まれてくる子も正常であることを祈りつつ、もし癒着の状態がひどく、舌癒着症特有の症状が出ていれば早い段階に手術しよう、と心構えはしていました。
６月下旬に男の子を出産しました。情緒は安定し、夜泣きはしたことがなく、また、昼間もほとんど泣きませんでした。（もしかしたら、泣けなかったのかもしれません）育てるのに何も手がかかりませんでしたが、次のような症状がありました。 ・手のひらがいつも湿っている。
・泣かない（泣いても声がかすれていてほとんど声がでない。）
・顔がドス黒い。
・いつも手の小指が立っている。
それで、１ヶ月たった頃、札幌の丸山歯科に行き、舌を見ていただいたのですが、比較的重度の癒着だと診断されたので、迷わず手術を受ける決心をしました。現段階では、講演会で聞いたような育てにくい子という印象は全くないけれど、酸素をより多く取り入れることができるようになれば、今後のこの子の長い人生において、きっと無駄にはならないだろうと考えました。
手術には私１人で行きました。北海道を出発する前から息子には「もうすぐ飛行機に乗って遠いところに行くよ。」「舌の手術をするよ。痛いけど、きっと楽になるからね」とよく話をして聞かせました。手術の時は、おくるみに包まれてにっこりして看護婦さんにだっこされて手術室に行きましたが、10秒後くらいに手術室から帰ってきたら、大泣きしていたのでかわいそうになり、私も涙が出そうでした。周りのお母さん方とも励まし合いながら何とかその場を乗り切りました。息子が赤ちゃんらしく甲高い声で泣くのは初めてでした。その日の夜は宿泊先のホテルで２時間ほど泣き続けましたが、これまでこんなに激しく泣かれたことがなかったので、赤ちゃんが泣くのは親にとってはとても苦しく疲れるものなんだなぁ、息子は痛い思いをしたから怒って泣いて訴えているんだろうなぁ、これまで泣けなかった辛さをいっぺんに吐き出しているのだろうなぁと思いました。そして、その日は舌が痛いせいか、おっぱいも飲めずに本当に苦しそうでした。翌日の検診のとき、初めておっぱいが飲めたので安心しました。その後、術後の経過は特に問題は有りませんでした。でも、１週間、傷口が癒着するのを防ぐため、舌の下側にスプーンを入れるのは、かわいそうでした。
術後に改善された事項は次の通りです。
・赤ちゃんらしく甲高い声で泣くようになった。
・顔色が良くなったと知人から言われた。
その他、「手の平が湿っている」「手の小指がたっている」ことは手術を境に改善されたというのは確認できませんでしたが、８ヶ月くらいになって動きが活発になるころには手のひらは乾燥し、小指も立たなくなっていました。
今は、１歳６ヶ月です。１歳頃にはアトピーが顔に出ましたが、今はきれいになり、病気もせずに元気に育っています。好奇心旺盛で、愛嬌があり近所でも人気者です。男の子ですがおしゃべりも上手で「パパあっちに行ったね。」のような２〜３語文を話しますし、「赤」「青」「花」「葉っぱ」「バイク」「バス」などたくさんの言葉を話し、大人の会話も理解して「新聞をパパに持ってきて」「自分がはいていた靴下を洗濯機に入れてきて」などの問いかけには１歳２ヶ月ころから正しく応じます。
しかしながら、２人目の子供ができた時に、手術を受けるかどうかは分かりません。明らかに苦しそうな症状があれば手術を考えますが、まずは、自分が手術を受けてみて、生活が変わるようであれば子供にも受けさせると思います。
やはり、痛みを伴う手術であるし、改善される内容と程度も一人一人異なるので、本当に必要かどうかを慎重に考えた方がいいと思います。

手術日年齢　３才１０ヶ月　K・T(2002年7月)
胎盤早期剥離の危険な状態の中、無事に生を受けて誕生した娘は、病院から帰宅した日から毎晩泣き通しで、5分寝ては１０分泣く、を繰り返して朝が来るという毎日が１歳頃まで続きました。昼間も泣くことが多く、ほとんど抱き通しで育てたように思い出します。
そんな中で、泣く原因がわからないままに私も疲れ果て、半ノイローゼのような状態でした。「かわいい盛り」が、嵐のように過ぎていってしまったようで、今とても悔やまれます。
その後、娘は私にとって「イマイチ分からない子」になってしまいました。こちらの言うことは何度言ってもわかってくれず、ゆえに怪我も多く、外出は冷や冷やものでした。なにせよく転び、考えられない物にぶつかったり、足の重心が定まっていないようなフラフラした歩き方で、一言で言ってしまえば「注意力散漫」という言葉がピッタリでした。よその人にもなつかず、お客さんが来ても泣きわめくか固まって動けないという感じで、お客さんも「声も掛けられない」と困られました。実家の母に「普通じゃないよ」と言われ、はじめは嫌悪感を抱かずにいられませんでしたが、冷静に考え、長女と比べてみても、やはり何か解決策があるはずと考えるようになりました。そして札幌のＴさんという方のところへ伺い、娘との関わり方などたくさんのことを教えて頂きました。Ｔさんのお宅で娘のこれまでや現在の気になる点を話したとき、「心から来るものだけではないのかもしれないよ」と、教えていただいたのが、「舌癒着症」です。
初めて聞いた言葉でしたし、呼吸でそんなことまで変わってくるの？とそのときはただ驚くばかりでしたが、実家が東京なので、帰省した時に向井診療所を訪れたのでした。診断は、舌のつき方は３段階で１番悪く、更に、扁桃腺とアデノイドの肥大、これも３段階で１番悪いという結果でした。今まで風邪で病院にいっても、扁桃腺といわれた事もなかったし、アデノイドなんて全く考えていなかったのに、鼻からカメラを通してのどを映した映像を見せてもらうと、確かに気道がふさがれているのです。アデノイドの部分で50％、扁桃腺の部分も50％しか空気の通る場所が無い。「この子は、鼻呼吸はほとんどしていないはずだよ」と先生のいうとおり、娘は常に口を開けていて、そのせいか、よだれがいつまでもおさまらずにいたのです。また、夜あれほど泣いていたのは、睡眠中は特に呼吸しづらい体勢になり、「無呼吸症候群」とよく聞きますが、そういう状態になって、そこから息を吹き返す（？）ためだった可能性が強いというのです。言ってみれば、生きるために泣いていたってことですよ。これはショックでした。なんだかとんでもない結果に、ただビックリするだけでしたが、「取り除いてやったら、この子は確実に楽になるよ。」という先生の言葉もあり、手術をする方向へ話が進みました。全身麻酔ということもあって心配は大きなものでしたが、手術は３０分ほどで終わり、その後の経過も思っていたほど大変なことも無く（本人は辛かったでしょうけど）５日間で退院しました。その後、娘の日常に日増しに変化が見られるようになりました。
まずは睡眠中のいびき。いまでは寝息すら聞こえないほど静かに眠るようになりました。思わず近寄って、息をしているかと確かめるほどです。心拍ですが、上の子と比べたらずいぶん早いなと思っていたのがすっかり落ち着いた事。これを確認しただけで、「やってよかった」と思えました。
つり目気味だった顔つきがなんだか穏やかになった感じがするし、口を開けていることが少なくなり、よだれも出なくなり、手術を境にやっとよだれかけがはずせました。
お絵かきやパズルといった体力を使わないようなものでも、集中しだすと呼吸が荒くなっていたのですが、それもなくなり、集中力も前より出てきたみたいです。そして、舌癒着症に併せてアデノイドには「コミュニケーション障害」が出ると言われるそうで、娘との会話がなんだかかみ合わなかったのは、そのせいだったんだと思います。術後はこちらの言っていることも理解できるようになったし、自分の言いたいことも上手く伝えられるようになって急にごねだすことも少なくなりました。また、よその人も怖がらなくなって、今では我が家で一番社交的なのではないでしょうか？
「よく転ぶ」という部分も、かなり解消されました。走るかっこうを見ても、それまでのような「いつ転ぶか」といった危なっかしさがなくなり、術後ほどなく本人も「走りやすい」と言っていたくらいです。
こんなふうにいろんな変化があり、「呼吸」という生命維持の重大要素を、普段はなんとも感じないで当たり前のようにしていたんだなってことに気付きました。普通に（結果的に普通ではなかったんだけど）生活できているんだから、呼吸なんて当然問題ないと思っちゃっていましたが、そうではなかったんですね。
最終の診察のときに、先生に「この子、スポーツをやらせたらいいよ。きっとかなりできるようになりよ。」言われたのですが、その時は正直とても信じられませんでした。だって、転ばなくなるだけで十分と思っていたのですから。
現在、娘は剣道少年団に入っており、張り切って稽古に通っています。まだ３年目と始めたばかりですが、気合と負けん気は一人前です。また、毎年秋に行われる校内マラソン大会では、２年連続の学年別女子１位。一昨年は校内新記録を達成し、どちらを見ても運動系に弱い我が家は沸きに沸きました。なにごとにも意欲的で、そのほかにピアノと書道教室、さらにこの春からは小学校の金管バンドにも入ると言っています。親の私のほうがついていけなくなりそうです・・・
手術を受けていなかったらどうだったんだろうと時々考えるのですが、これほどの運動能力や意欲、集中力はきっとなかったんじゃないかと思います。
時々、「あ〜、この子もうちの子と同じなのかなぁ」と、気がかりな子もいて、教えてあげたいと思うのですが、なにぶん近くで診てもらえるところがないし、なかなか理解してもらえるお医者さんもいないので残念でなりません。「なんでなんだろう？」と、日々悩みながら子供と向き合うお母さん、お父さんのためにも、今回の講演会開催によって、舌癒着症への関心と理解が広がることを願っています。

手術日年齢　４歳５ヶ月（2004年11月）　　A・Y
手術日年齢　3ヶ月　（2004年7月）　　A・S
手術日年齢　４２歳　（2004年11月）　A・R

私が舌癒着症について知ったのは二人目の出産後のことでした。桶谷式母乳育児法の助産師さんから舌癒着症の症状が書かれたパンフレットを見せてもらい、唖然としてことを今でもよく覚えています。
長男は出産後、病院でも本当によく泣く子でした。授乳中、日中は30分から1時間おきに授乳。泣いて泣いてひどいので、おなかがすいていると思い、いつもおっぱいをあげていました。夜は1時間おきに目を覚まして泣くのでもちろん１時間おきに授乳していました。断乳後、夜は寝てくれるだろうと信じていましたが、結局2歳になるまで１時間おきに目を覚ましていました。また、生後３ヶ月頃からころりと横になると手と足を組んで、何かを拝んでいるような姿勢で腹筋運動のような屈伸を始めたのです。今思えば呼吸が苦しくて呼吸を楽にするために自分の楽な姿勢をとっていたのだと思います。もちろん寝るときも置いたらすぐ目が覚めました。なので、よその赤ちゃんの10倍くらい抱っこをしたと思います。発語も遅かったです。３歳児検診では言葉が不明瞭で遅れているということを言われました。
　次男は、早産で生まれたため黄疸が出て１０日間くらい入院しました。しかし、退院後１ヶ月くらいまではおっぱいもよく飲みよく寝る赤ちゃんでした。しかし、２ヶ月を過ぎた頃からよく泣くようになりそのころ助産師さんからパンフレットを見せてもらったのです。
　パンフレットに書いてあることはわが子達に当てはまることばかりでした。このままではこの子達は本当に突然死んでしまうかもしれない。1週間くらい考えて手術を決意しました。
手術後、長男は顔色がとても良くなりました。言葉もはっきりしてきました。口呼吸で寝ていたのが鼻呼吸で寝るようになり、いびきもほとんどかかなくなりました。まだ、時々寝ている間にむくっと起き上がることはあります。小さい頃は何か障害があるのではないかと心配してくれる友達もいました。しかし、６歳になった今では普通の子供に成長していると思います。
　次男は、手術後にたっていた髪の毛がきちんとおさまりました。網の目状の毛細血管も皮膚から見えなくなりました。単純に比較できませんが、次男は１歳半頃からはっきりとした言葉で話しています。２歳半で長男の4歳頃の語彙量があり、現在では全く不自由しません。ただ、鼻が悪く夜中にうまく呼吸ができずに目覚めることがあります。そのほかはとても活発で、元気のある男の子です。
以前、山本先生の講演を聴いたとき乳幼児突然死をした赤ちゃんの写真を見せてもらいました。体の色、顔の様子、長男とそっくりでした。もし手術を受けていなかったら・・・。最悪の場合、突然死していたかもしれません。手術を受けて本当に良かったと思っています。
　私も長男の手術入院時に手術を受けました。私の場合、手術中に酸素がどっと入って過呼吸になりました。それくらいすごいことなんだと実感しました。ただ、鼻が非常に悪いため鼻の調子の良いときにはたくさん酸素が吸えますが、手術によって鼻の調子が良くなったと言うことはありませんでした。しかし、浅かった眠りが深くなったようには思います。次男の授乳中でも寝不足なのですが寝不足をあまり感じなくなったのは事実です。
　舌癒着症を知り、手術できたことはとても良かったと思っています。もっともっと多くの人に知ってもらい、もっと多くの人がより簡単に手術できるようになる日がくることを願っています。

手術日年齢　(７か月2005年3月）　H.H
手術日年齢　６歳　（2005年3月）　　T.H

・舌癒着症を知るまで
　『舌癒着症』−この言葉を初めて知ったのは、夕方のテレビ番組でした。普段、仕事でその時間にテレビを見ることは全くないのですが、その日は休みだったので何気なく見ていたのです。見た瞬間「これだ！これしかない！」という思いでした。というのも、それまで随分悩んできたからからです。少し長くなりますが、そう思うに至った経緯を綴りたいと思います。
息子は2歳頃からよく中耳炎になって耳鼻科に通っていました。通院するうちにアレルギー性鼻炎だと診断され、そして何度も中耳炎と副鼻腔炎（蓄膿症）を繰り返して通院を続けていました。
　3歳になった頃、担当の先生はレントゲン写真を指さしながら、こう言いました。「この子は生まれたときからこうだからこんなものだと思っているかもしれないけど、普通の人がこうだったら、苦しくてとてもいれませんよ。」と。息子の気道がとても狭いというのです。確かにレントゲン写真にはごく細い線が写っていました。そして「体が大きくなってくると、気道も広がるかもしれないが、そうならなかった場合アデノイドを切除する方法がある。手術を受ける可能性を頭に入れておいてください。5,6歳まで様子をみましょう」とのことでした。
真夜中の苦しみ−睡眠時無呼吸症候群−
そして2年が過ぎ5歳の春、器機で睡眠時の無呼吸のテストを受けることになりました。結果は眠っている間に呼吸が止まっている状態、いわゆる睡眠時無呼吸症候群だと診断され、やはり手術を受けることになりました。そしてアデノイドと扁桃腺を切除しました。
手術後、「からあげ　たべたいけど、がまんするね。なおったらいっぱいたべる！」と言ってのどの痛みを我慢しておかゆをすする息子の姿を見て、本当に胸が痛みましたが、これでやっと元気になると思いました。実際、手術後の睡眠時のテストでも症状は改善されていました。
しかし、半年が過ぎ、秋の花粉の季節になるとまた調子が悪くなってきました。夜中にまるで夢遊病者のように何度もムクリと起き上がり、正座して壁や主人にもたれかかって眠るのです。息が苦しくて横になって寝ていられないようでした。いびきもひどく、それがピタッと止まってしばらくすると、溺れかかった人のようにハアハア苦しそうに呼吸をするのです。寝ている、というより布団の上でのたうちまわっている、といった状態でとても見ていられませんでした。熟睡できないせいか、朝はなかなか起きられず、食欲もなく昼間はぼんやり、といった様子でした。あんな痛くて辛い思いをしたのに効果はなかったのか、と涙が出ました。
・舌癒着症
　そんな折でした。初めに申し上げたとおり『舌癒着症』をテレビで見たのです。オトガイを切ることで舌が下がり気道が広がる・・・私は「これだ！」これこそが、息子の呼吸を楽にしてくれる方法でないかと確信しました。もう、わらにもすがる思いでした。「これしかない！」そう思ったのもご理解いただけるでしょうか。
初めて舌癒着症を知ってからというもの、私の頭から離れませんでした。すると、ある朝、同じ番組で舌癒着症の特集が放送されることを新聞のテレビ欄で知りました。毎朝バタバタと息子を保育園に送りとどけ、生まれて６ヶ月の次男を連れて仕事に出るので、朝にテレビ欄を見るのも滅多にないことなのです。後から、これも何かのめぐり合わせのように思いました。
今度はビデオにとって、主人や私の両親とみんなで見ました。家族の意見は一致して、そしてすぐに「手術をしよう」ということになりました。
・神奈川県『向井診療所』へ
　テレビの放送は２月。４月には小学校に上がるので、できるだけ早く、と思って向井診療所にお電話をしたところ、３月の初めに空きがあるということで、手術を受けることになりました。
そして当日。北海道から一家４人で神奈川県「向井診療所」にやって参りました。せっかく行くのだから、７ヶ月になった次男も診てもらおうと思っていました。診察の順番が回ってきて、テレビで見たとおりの向井先生がいらっしゃいました。長男の後、次男も診ていただくと、「こっちのほうがひどいくらいだ。手術したほうがいい。」とおっしゃいました。私は、やっぱり！と思うと同時に、別の心配が・・・。そうなるとまた手術をしに神奈川に来なければなりません。一家４人で、となると航空券とホテル代だけでもかなりのものです。看護士さんに「では次の予約をしていってください」と言われ「はい・・・」と内心動揺しつつ答えると向井先生が「明日もう１人ぐらいいれられないか。入れられるだろう。」と鶴の一声、翌日２人とも手術してもらえることになりました。本当に感謝しています。
・手術を終えて
　手術を終えた日の夜は２人とも泣き続けたいへんでした。しかし長男のほうは翌日には元気で、扁桃腺を取ったときよりも楽な様子でした。けれども次男はおっぱいが飲めなくて、搾乳を続け、母子ともに想像以上にたいへんでした。離乳食をほんの少し食べる程度でした。結局、おっぱいを飲めるようになるまで一週間かかりました。
・手術後の変化
　さて、２人の変化は劇的でした。あれほど眠れずにいた長男は、なんと朝までぐっすり、横のなって眠るようになりました。こんな姿は、この子が生まれてから見た事がなかったように思います。涙が止まりませんでした。赤ちゃんの頃から２才過ぎまで夜泣きがひどく、毎晩1・2時間おきに泣き叫んでいましたし、その後も先に述べたような状態でした。思い起こせば、おっぱいも少し飲んでは息苦しそうに泣いて飲めないのでした。
そして当時６歳でしたが、おねしょがひどく、週に4・5回もしていました。それが手術を境に、突然2・3か月に１回になり、そのうちに全くしなくなりました。そろそろ治る年齢のせいと思われるかもしれませんが、そんなに急に変わるものとは思えません。
それから次男は、便秘がひどく１週間に１度という状態で、浣腸やマッサージが日課でしたが、手術を境に、何もしなくても毎日お通じがあるようになりました。いつも手足が冷たく、血色が悪かったのですが、肌に赤味がさして、冷えがすっかり解消されました。また、いつもキーキー叫んでいたのが言わなくなりました。そして、いつも着替えさせる時に体が縮こまっていて、硬かったのが当たり前だと思っておりましたが、くにゃくにゃと柔らかいのです。赤ちゃんは本当は柔らかいものだと知りました。
ただ、ひどいアトピーでしたが、そちらのほうは、多少改善されたものの、残念ながら完治とまでは参りませんでした。それでも、いろいろ手を尽くしてきたので、少しよくなっただけでも良かったと思いました。
・その後
　あれから２年、長男のアレルギー性鼻炎が治ったわけではないので、花粉の季節になると、相変わらず耳鼻科通いは続いていますが、そんな鼻の詰まった状態でも、夜ぐっすり眠っています。おねしょもありません。食欲も出て、サッカー少年団に入っています。本当に元気になったと思います。次男も元気にしています。
実はその後、三男が誕生し、今６ヶ月になるところです。やはり上の２人と同じような症状があり、心配しているところです。

手術日年齢　40歳　（2004年11月）　　M・H

私と舌癒着症の出会いは講師である山本先生からの突然の電話からである。「今度札幌で講演するから場所を設定してよ、タイトルは舌癒着症」舌癒着症？初めて聞く名前？地味そうだし人が集まるのかな、正直私にはあまり興味がありませんでした。
　何人かの友人に舌癒着症について尋ねてみても皆分からず取り敢えずインターネットで調べてみることにしました。地味な名前とは裏腹に調べれば調べるほど娘の症状と重なることが多く家内共育児で悩んでいた事がそこにありました。
　その時娘は３才を過ぎていましたが気にくわないと大声で泣いたり、言葉が遅い、集中力がないなど親としては気になっていた事がありましたが手術は悩みました。しかし子育てで一番悩んでいた家内が是非処置してもらいたい！の一言で決心し全身麻酔による処置を受けました。処置時手術室で見学をしていた為娘が、お父さんがいるからと手術室に笑いながら入ってきたのを覚えております。その娘が全身麻酔をかけられ処置を受けている姿に心の中で涙し手術が終わり覚醒した時本当に安堵しました。処置後症状の改善がありましたがそれよりも娘が処置に文句を言わず何かあると自分の舌を指し頑張ったんだぞと表現してくれる事に感動しました。その娘に刺激され舌癒着症に携わる決心をしこの処置を受ける事にしました。
私は以前より人から話が聞き取りづらく聞き返される事が多く、自分でも声がこもってしまう事は感じていました。他に鼾は大きく疲れやすくイライラしやすい等の症状がありました。処置後は不快な症状はあるものの次の日からは嚥下時に痛みがありましたがグロテスクな傷口ほどではありませんでした。まず感じたことは仰向けで寝ていると枕が高く、異常に肩がこり辛く感じた事です。それはホテルや自分が使用しているものも含めてそうでした。向井先生から処置後舌だけでなく咽頭・喉頭、頚椎全部後ろに下がるよと言っていたのはこの事かと、元々猫背気味で高い枕も気にならなかったのですがそれまで口を開けての高鼾が口を閉じての鼻鼾に変わり音も静かになったそうです。また発声が良くなり、前ほど聞き返される事が少なくなりました。
　処置後気道が広がり確かに呼吸が改善されると思いますが、自分としてはその事による睡眠の改善が大きいように思います。睡眠不全、寝ていてもしっかりと寝ていない、この事が疲れやすさ、集中力、イライラなどの気分にも影響していると感じています。処置後に気づいた事ですが以前必ず、１〜２ヶ月冬場に咳き込む事がありました。病院では気管支炎を起こしているので薬を処方されますがさほど効果はありませんでしたが、今では時々起しますが、２，３日で治まる程度です。
大人の処置の場合、改善が数ヶ月たってから感じる事もありますし、慣れてしまうと効果が薄れて感じることもあります。今思う事は処置をしてお終いではなくこれからも舌のストレッチは大切で、例えば体のストレッチをすると筋肉、靭帯をほぐれ快適になるのと一緒で舌の筋肉にもストレッチが重要であります。舌を前後左右に限界運動をしたり、処置後に偽膜を剥がすためにスプーンで舌を後ろに押す操作を今後も行うことが効果の持続につながると思います。我が家は家族３人皆処置を受け良かったと本当に実感し感謝しております。

手術日年齢　４３歳　（2005年４月）　　Y・Y

「ぜつ・ゆちゃく・しょう」って何？　医療関係の知人からたまたま紹介された講演会に初めて参加したのは手術の前年でした。以来、その処置の知られざる効能と医学会の大御所が異を唱えているという現状に異様な興味を抱き、自らが手術を受けた経験を少しお話します。
　私事ですが、仕事は放送記者をしています。当初は舌癒着症の考え方そのものがなかなかわかりませんでした。しかし向井医師や山本歯科医、看護師さんらの説明を繰り返し聞く内に「あ〜、酸素がたくさん入るような構造を作れば体が喜ぶのか・・・」という単純な仕組みが少しずつ理解できるようになりました。加えて、この処置がかつて日本を始め世界各地で行われていたことを知り、なぜそれが行われなくなったのか、どうして復活させようとしている人たちがいるのかを知りたくなり、仕事として関わることにしてみました。その答えは簡単でした。道理があるから復活したのでした。権威主義と偏見がこの処置を傍流に追いやったのでした。少し乱暴な言い方ですが、詳しいことはこの先、向井医師や山本歯科医という個性豊かな“赤ひげ”たちに直接お会いになって、トコトン話し合ってみて下さい。決して怪しい宗教ではありませんから・・・。
　で、私の体験談に戻ります。当初、仕事として係わったのですが、その後たまたま海外赴任をすることになり、当時、家族共々、具体的な症状に悩んでいたわけではなかったのですが、私、妻（当時44歳）、長女（同１２歳）、次女（同１１歳）、義母（同６７歳）の5人で北海道から神奈川へ出向いて手術を受けました。手術そのものは10分余りで済みましたが、術後2週間程度、痛みや違和感がありました。しかしそれも喉元過ぎれば何とやら・・・で、手術には付き物と考えればよいのです（こどもたちはちょっと大変なようでしたが）。特に術後すぐ、まだ手術室にいる内に酸素が「ドカーン」と体に入ってきたのには驚きました。「コレか！皆さんが体験談に書いていたのは・・・」という感じです。以降、私の場合、肩こりや風邪を引くのが減ったように思います。少なくとも体に入ってくる酸素の量が増えていることは術後２年あまりたった今も実感しています。舌を切る（実際には舌の付け根の一部を開く）という事、実にネガティブなイメージを抱かれる方がいらっしゃるかも知れません。かく言う私もそうでした。しかしそこには、医学的な論争の歴史とさらにはもっともっと深い効果を引き、可能性も潜んでいることを皆さんもお知りになることでしょう。紙面の都合上、筆舌に難いのが残念です。もちろん、私はこの処置を闇雲にお勧めするわけではありません。処置を受けてみて、私の場合は素直によかったなと思っているだけです。皆さんも、わからないことやちょっと気になっていることを向井診療所のスタッフに聞いてみることから始めて見て下さい

手術日年齢　46歳　2008年2月）　H・R

私こと、ラジオのパーソナリティれんは一緒にお仕事させて頂いている映画監督花堂純次氏より「気になることがあるから、れんちゃん、ちょっと札幌の丸山歯科医院に行って診察してみて」の一言でこの舌癒着症というものの処置をしました。これが不思議な不思議な出合いのはじまりでした。

☆れんの>2回舌癒着症記録☆
2008年1月25日
はじめて丸山歯科医院を受診。舌癒着症というものの診察とお話を聞く
2008年1月27日
クリーニングと処置の日を決める
2008年2月1日
この日かられんの舌癒着症体験記がはじまる笑
手術室に案内されて・・・その前にオレンジ色の錠剤を水でのむ。血圧心拍数ｅｔｃ・・低血圧のれんなのに、血圧が高い。緊張のためなのか、心臓に送られる酸素の量が多い。しばらく様子をみて笑気ガスを使う。私が超怖がりのために。笑気ガスを吸ってるうちに、体の力が抜けてきた、手と足が自分じゃないみたい、そのうち眩暈と吐き気、笑気ガスの量が増えた、なんだか自分の体じゃないみたい。廻りの声がいろいろと聞こえてくる。先生のそろそろ始めましょうかの声、舌先に麻酔を塗り舌に糸が通るのがわかる。舌のまわりに麻酔を打たれてる、いた〜〜い（涙）。そのうち電気メスの焦げ臭い匂いがしてきた、あー切っているんだな〜〜と思いながら・・・眩暈と必死に戦っていた。そんな感じでも、唇に当たる固いもので意識が現実に戻る、強い吐き気に、先生が一旦中止しますかと・・・。口の中には生温かいものでいっぱい・・気持ち悪い。
そんな訳で、私の処置は２層で終了しました。落ち着いてきたので、ベッドから降りたとたん・・・めちゃくちゃ咽と首の筋が痛い！！後から痛くなってくるパターンが多いけど、「よほど今まで負担がかかっていたんでしょう」と先生。お礼を言ってお金を払って着替えているうちに、・・麻酔がきれた。
教訓・・・痛み止めは切れる前に飲むこと
☆術後の体感
・背筋を伸ばしやすくなった
・手の重さが肩からではなく・・肩甲骨から一体になっている感じ・首の両側の筋が凄く痛くて・・
・声が・・のどで響く感じ
・眠っているときに　口ではなく　しっかりと鼻で呼吸している・口の中に唾液がいっぱい
体験として・・痛いと思うのは術後5時間くらい、これを乗り切れば第一関門突破かな
☆2008年2月2日
　言葉は術後より、二日目の方が話しにくい。筋肉が痛いからかな。話すことは、痛みが薄らいだけど。まだ食べることができない。水は飲める。でもストローで吸うということをすると、舌が痛い。
人間の体は不思議なもので、昨日傷口がぱっくりしていたのに、今日は白い膜のようなものが出来ている。癒着との戦いだけど、どんな風に変わっていくか楽しみになってきた。気が付いたこと、もう一つ。眠るときに、上向きにしたら舌が奥に引っ張られ痛い（笑）。横向きになったら、舌が横に垂れる感じで咽も横の方が痛い（笑）。背筋を伸ばすことが楽で気持ちいい。なんだか前向いて胸張って、そんな気分。
今日、経過と消毒に行ってきた。病院にまた三ヶ月の赤ちゃんが来ていた。やっぱり、この症状はもっとみんなに認知されるべきと改めて感じた。
☆2008年2月3日
術後の経過は、舌が手術の日よりも動かしづらくなって呂律がまわらない。カ行サ行タ行ラ行が舌をつかうので凄く辛い。 >筋肉が硬直してなめらかに動かないの。
傷跡が白くなってきて癒着し始めてきた。これを傷の中にスプーンをいれてはがす、痛い！！筋肉を固めないために舌を動かす練習。舌を立てたり右左、丸めたり、痛い（笑）。なによりも辛いのは、吐きだすとき、ペッが出来ない。咳きも辛い。舌の上に物を載せると舌の裏側の筋肉が痛い。傷そのものよりも、咽の奥、舌の内部が痛い。飲み込むという行為が辛い。本日の食事、朝と昼は飲み物と小さなゼリー一個、夕飯は、節分だったのでみんなはお蕎麦と恵方巻きと手羽先の揚げ物。
少し食事らしいもの食べたかったので、お蕎麦に挑戦、一人分の四分の一を一時間かけて食べた（笑）。
☆2008年2月4日
　術後経過、今朝・・鏡みてびっくり、一晩で癒着、寝る前にスプーンはがししたんだけどな〜〜。昨日よりも舌が動かない、言葉がうまく話せない、舌の筋肉が固まっている、空気と音がうまくかみ合わない。なんだか言葉を話すのに、一生懸命口を動かさないと言葉にならない。普通に話すだけなら、時間をかければいいのかも。重なる音がうまく言葉にならない、焦りがでてくる、舌先が下あごのとこで迷っている。手術の前より話しにくいし、術後、話にくいなんて考えていなかった。一生懸命に話そうとすると、もつれる舌先、痛みよりも焦り。
☆2008年2月5日
呼吸から酸素の量が増えたのか・・朝の目覚めがいい。口を閉めて鼻呼吸しているから・・口の中が乾いていない。それでもスプーンはがしのあとは、しばらく痛い。早く自分の皮膚になれ。昨日気づいたこと、食事の少し前に痛み止めを飲むと、少しは楽。
☆2008年2月6>日
術後一番、目でみて解るのが手のひらの血色、きれいなピンクなんだよね。れん、酸欠だったんだなー、まだまだ発音がなってないけど。
☆2008年2月8日
今日は丸々一週間が過ぎた、先週の今日は泣いてた（笑）。
☆2008年2月15日
このころになると、お肉なんかも食べられるようになってきた。まだまだスプーン上げつづけているし舌のストレッチもかかさない。舌小帯が突っ張る感じ。
☆2008年2月28日　術後 1ヶ月
　診察結果は、良好。今舌がいちばん突っ張る感じ。
☆2008年3月25日
　前回一緒にできなかった上唇の処置をうける。すごく楽で処置もすぐに終わった。痛み止めをのんで夕飯はおにぎりを普通にたべました。
☆2008年3月26日
　診察を受ける、問題なし、鼻の下あたりが腫れている。本日は食事会とケーナの練習、ケーナの音はなぜか出しやすかった 笑。それにしても変な顔で泣きそうになった苦笑。この日から表情筋の訓練をまじめにはじめる。けっか、アンチエージングなのです。
☆2008年9月5日
　思い切って、普通の人がやる３層まで処置してもらった。
今回の処置は前回とちがい笑気ガスなども使わず、落ち着いて処置を受けられた。
>処置後一番に感じたことは胸が大きく開くようになり自然にあごが後ろに引かれて、なんと二重あごになった・汗っ笑。今回の処置では、丸山歯科のオプションとしてレーザー切った舌の裏側を縫ってもらったので、スプーンあげや食事がすごく楽だった。これなら全然平気状態（笑）なんと心の中で一度目のように食べられなかったら痩せると勝手にダイエット計画立てていたのに、残念ながら食べられてあまり苦にならず、ダイエットにならなかった（笑）。この後前回同様にアフターのトレーニング、トレーニングにパタカラをつかうと自然とほっぺたの形が変わったような気がした。年が明けて、2009年、手術前から姿勢の写真を撮っていて、その記録を比べてみると明らかに姿勢が変わっていた。胸が楽々開き猫背の癖がなくなりました。骨盤の位置もかわり結果足のラインまで変わってきました。
舌がここまで身体に影響するなんて誰が思っていたでしょう。今では教えてくれた花堂監督に感謝しています。
　長い文章、最後まで読んでいただきありがとうございました。皆様に少しでもお役に立てれば嬉しいです☆

手術時年齢　４９歳　（2005年８月）　　Ｍ・Ｎ

思い返せば私はとても寝相の悪い子どもでした。起きたら反対向きに寝ていたという記憶も残っています。学生時代にも夜中に寝苦しくて起きると、布団の上の方に背を反らせて顎を突き出している自分に気がついたものです。
これらのことは夢見が悪くうなされているんだ、自分だけではなく皆にもあるんだと思っていましたし、医者であるにも関わらず、これらが睡眠時の気道狭窄による呼吸障害による可能性があるとは思ってもいませんでした。そう気がついたのは、もう数年も前に、向井診療所で私の舌癒着や軟口蓋の状態を診ていただき、睡眠時の無呼吸を測定し、舌癒着症の勉強をしてからなのです。そのうちに、自分だけでなく小さいときから一緒に寝ていた障害を持つ末の娘が私と同じ状態であることにも気がつきました。自分も娘もこの舌癒着症の手術をしたほうがよいと思いながらも、時間とお金と家族の理解の問題があり、向井先生のところにも行けずにおりました。
札幌でも丸山先生らが向井先生の元でこの手術を学び舌癒着症の外来治療を始められると聞き、 2005年8月さっそくここ札幌で丸山先生に手術をしていただきました。
手術自体はたいした痛みもなく10分程度で終わり楽でしたが、痛み止めを服用していたのですけれど、その夜の痛みは激烈でした。痛いのと多少出血するのでガーゼで切開部を抑えていたのですが、そのためか細菌感染してしまい、翌日に診察してもらったら多少化膿していて、これなら痛んだでしょうと言われました。思えば、奥歯の虫歯の未治療が原因であったようで、抗菌剤服用したくらいでは感染を防げなかったようです。結局、激烈な痛みは当日の夜だけで、後数日間は多少痛んだものの次第にきにならなくなりました。
手術で何より嬉しかったのは、手術翌日から仰向けで寝られるようになったことと、朝起きたときの喉の痰がなくなったことでした。しばらくの間は舌先の多少のしびれ感はありましたが、1〜2週間で消失しました。また、舌の動きが制限されて発音がしにくくなり、講演会でも聞き取りづらさを指摘されたりもしましたが、私としては低く太い声が出やすくなりハッキリ話せるようになったと感じています。さらに、思わぬ効果だったのが、扁桃腺の炎症を起しやすく、冬には咽頭から感染する風邪に罹りやすかった私が手術以来そのようなことがなくなったことでした。
手術後半年頃から再び仰向けで寝にくくなったり、朝に喉の痰が多少あったりするようになりましたが、私の場合には軟口蓋の狭窄も結構あるらしいのでその拡大手術もしないと治まらないかもしれません。
脳や身体や心によいことは何でも試してみている私なのですが、何がどう効果があるのかハッキリしない面もありますが、この舌癒着症の手術は以上のような効果に加え、精神面でも活力をもたらしたのではないかと思っています。
さまざまな効果の期待できるこの舌癒着症手術を自分自身や手術した子供たちの体験も踏まえて、これからも必要と思われる方に勧めていこうと思います。